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水中ニーソの特異性を再確認 〜月刊水中ニーソR・2017年10月号より

月刊水中ニーソR・2017年10月号より)
ウェブショップ→「月刊水中ニーソR」2017年10月号
Amazon→ 月刊水中ニーソR・2017年10月号 雑誌 – 2017/10/10


※クリックすると大型の画像が開きます。

解説:本橋康治(ライター)/展示撮影:逢坂憲吾
モデル:真縞しまりす/ロケーション:PATER’S Shop and Gallery


「セクシー原宿」の展示を見て最初に思い浮かべたのは、「水中ニーソ」初の展覧会を観た時の驚きでした。女の子たちが発信するKawaiiムーブメントがストリートから世界に拡がっていた2013年の原宿は、水中ニーソを世に出す場としてベストだったとセクハラ展を観て改めて思いました。秋葉原ではアイドルやヲタクの色が強すぎる。渋谷にはインディペンデントな個人が生きる場所がない。新宿では軽やかなポップ感に欠ける。そんな傾向はこの2017年に一層強くなっています。
「水中ニーソの最大のアイデンティティはその清潔さ」にある、と菊地成孔さんは言っていました。古賀さんがフェティッシュや萌え、その他のカテゴライズから距離を取ってきたことで、水中ニーソはプアーさに陥ることなく清潔さを保ってこられた。アート、ホビー、アイドル、特撮、フェティッシュなど多様な文化に接続しながら、いずれにも所属していない自由さが水中ニーソの面白さであり難しさでもあります。
 どんなジャンルのメディアに載せても揺るがない作品の強度を持つ白根ゆたんぽさん、ジャパンクールのクリエイターとして中華圏で圧倒的なボリュームのファン層を持つ米原康正さんと古賀さんが「古白米」というユニットとしてバランスよく並び得たのは、水中ニーソが清潔さ、リュクス感を保ってきたからでしょう。
 その中で今回、構成上絶妙な役割を果たしていたのが米原さん。古賀さんの写真、白根さんのイラストレーションに対して写真に生々しいペイントを重ねるという表現手段を用いて両者と絶妙に調和してみせたのは、米原さんの持つ編集感覚のなせる技です。
 古白米の3人が見せたコラボレーションには、手法は全くリアリズムではないのにかかわらず、現在の原宿に共鳴する空気感がありました。特に今回、水中ニーソがこれまでと違う次元で原宿と結びついて見えたのは、「原宿ダイビング」という手法はもちろんのこと、「所属ドメイン=原宿」の米原さんが展示に加わっていたことが大きい。本展の中で「水中ニーソのネクスト」が示されたことで、よりノンケの人が面白がれるものになったと言えそう。
 水中ニーソのコアにある浮遊感の魅力を保ちつつ、街ごと水に沈ませるという手法で「水中」から離れなかったのは実に大きなブレイクスルーです。これで私たちはどこにだって潜っていけるようになったわけですから。

(キャプション)
(写真左)絶妙なバランスを見せていたユニット「古白米」のコラボレーション。ちなみに古賀・白根・米原の頭文字を取ったこのユニット名は「中華圏ではシンメトリ―な文字の方が認知されやすい」という米原さんの案によるもの。
(右ページ)「原宿ダイビング」の作品内と同じ姿のしまりすちゃんが配置されることで2.5次元感が出るギャラリー空間。SNSが女の子の承認欲求メディアとなり、原宿を舞台とするストリートスナップは役割を終えてしまった。2020年に向けて巨大開発の影響を受け、変わっていかざるを得ない原宿の今をそっくり保存するようなノスタルジアと近未来の終末感が「原宿ダイビング」シリーズには感じられます。

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